クルーズ船ツアーが人気だ。昨年の日本人クルーズ人口は過去最多の約25万人、船で入国した外国人も約200万人に上った▼大型クルーズ船は映画館やプール、ダンスホール、バーが完備され、高級なイメージがある。沿岸部の自治体は、2000人近く乗れる大型客船を誘致し地域活性化につなげようと受け入れ体制を整えている。和歌山でも6月に市町村や商工会議所などが集まる「県クルーズ振興協議会」が発足した▼ただ、乗客をもてなすのは地元の文化団体やボランティアでつくるグループ。新宮港は定期的な寄港が見込めるため組織されているが、和歌山下津港は寄港の予定が不定期で結成に至っていない▼和歌山市の沿岸部といえば、マリーナシティや養翠園、番所庭園など観光資源が豊富。文化庁の和歌の浦日本遺産認定や中央卸売市場に道の駅が計画されるなど話題も多い。〝海からの訪問者〟を意識した観光ツアーが生まれれば、きっと地元の新たな楽しみ方や魅力発見につながる。 (林)

(ニュース和歌山/2017年7月1日更新)