半年前に実家を出てから、観葉植物を育てるようになった。これまで興味がなく、幾度となく鉢植えを枯らした苦い経験も。頂き物のゴムの木が半年間無事だったので、思い切っていくつか大きな木を買ってみた▼今回は同じ轍(てつ)を踏むまいと、インターネットや専門書で研究。成育に疑問があるときは近所の種苗店に持ち込み、アドバイスを受けるほど気合いを入れている▼ささやかながらも「育てる」という感覚を初めて味わっているように思う。朝起きて葉をチェックし、元気なさそう、日陰に移動させて風を当てようかな…などと思案。特に暗くなると葉を閉じるエバーフレッシュの変化を見るのが日課になりつつある▼生まれ育った家は庭で祖父が花や野菜を世話し、この季節には新緑まぶしい山々が眼下に広がるのどかな場所だった。今は市街地のマンションで、本能的に、似た環境を作り出そうとしているのかも知れない。そんな自分の〝巣作り〟の性質がみえてくるのも面白い。 (島本)