世界の異なる文化を写真で学ぶワークショップに参加した。テーマは「家族の持ち物」。写真家が約20年前に各国の個人宅を訪ね、家の中にある物全てを家の前に並べてもらったそうだ▼アフリカはつぼや食器、イスラム圏は巨大なソファに高級車、オセアニアは大家族と牛。一方、日本は洗濯機に冷蔵庫、テレビ、こたつと物にあふれていた▼グループで写真を選び、そこから何が読み取れるかを話し合った。写真中央に置かれているのは、発展途上国では家畜や漁具など生きていく上で必要な物、信仰心の高い国は宗教用具で、その国の人たちが大切にしている物や、暮らしぶりが垣間見えた。たった数枚の写真から、普段の生活から考えられないような価値観や生き方、家族の在り方に思いをはせることができたのだ▼新しい知識や異なる考え方との出合いは、自らの好奇心を育み、自己成長につながる。そういった点で、国際交流と青少年の育成は一見接点がなさそうに見えてつながっていると実感した。(林)

(ニュース和歌山2016年3月19日号掲載)