2歳半の娘を連れて和歌の浦へ遊びに出かけた。玉津島神社、不老橋、観海閣と、娘にはその歴史や風景に魅力を感じるのはまだ難しいと思ったが、春のうららかな陽気に誘われた▼普段は公園遊びが中心で、すべり台や砂場が大好きな娘。休日は大型遊具がある公園やショッピングモールのキッズコーナーへ出かける。子育て中の友人も同様に過ごしているそうだ▼和歌の浦に到着すると、やはり小さな子どもは見かけない。しかし、娘は道に落ちた松ぼっくりを集め、初めて見る干潟の生き物たちに目を輝かせていた。特別な遊具がなくても、豊かな自然が子ども心を満たしてくれる。休日に当番で立っている語り部さんの話も聞け、満足な1日を過ごせた▼古くから和歌の聖地として知られ、小さな子どもを連れて行くイメージがなかったが、行ってみると親子で満喫できた。「楽しめないだろう」と決めつけず、こうした地元の歴史スポットへ出かける親が増えれば、子どもの郷土愛はきっと深まると思う。 (林)