国内のレコード生産枚数がここ数年右肩上がりで、昨年は80万枚を記録した。最盛期の2億枚には遠く及ばないものの、ソニーが自社生産再開を決定するなどレコードに触れる機会は確実に増える▼大阪で開催中の「世界を変えたレコード展」を監修した音楽プロデューサー立川直樹さんが「かつてレコード鑑賞という趣味があった」と過去形で話していた。プレーヤーにレコードを乗せ、ジャケットを立てかける。歌詞カードを手にじっと座って耳を傾け、A面が終わればひっくり返す。この手間が、レコード鑑賞を趣味、さらに、文化の域へと押し上げたのだろう▼だが今や、CDはおろか配信の時代。音楽は特別な趣味でなく、何かをしながらスマートフォンで聴く手軽な暇つぶしの面がある。ただ、操作は楽でも、スマホで見るジャケットは物足りない▼レコードなら、音楽はもちろん、大きなジャケットにあふれる芸術性も楽しめる。生産増を機にレコード鑑賞に文化を感じる人が、再び出てくるかも。 (小倉)

(ニュース和歌山/2017年7月15日更新)