国際交流について考える大会で、平和教育活動家の源和子さんの基調講演を聞いた▼ニューヨークのNPOで働く源さんは2001年、同時多発テロを経験。現場に飾られた千羽鶴を目にしたのをきっかけに、広島で被爆した「折り鶴の少女」で知られる佐々木禎子さんの作品を通じた平和活動を始めた▼原爆投下を指示したトルーマン大統領の孫が来日した際、通訳を務めた経験を聞かせてくれた。佐々木さんの兄や被爆者との対面に立ち会ったそうで、「遺族の苦しみを理解しようとする姿に、だれ一人謝罪を求める人はいませんでした」。トルーマンの孫は辛い過去に正面から向き合うことで、被爆者や遺族と心通わせた。国際交流が生んだ新たな歴史の一ページと言える▼筆者はこれまで、外国青年とふれあってきたが、その経験が生きたという実感はなかった。しかし、今回の話で交流が、異なる文化や考え方の違いを埋め、平和な世界への一歩になると実感した。ふれあいの積み重ねを大切にしたい。 (林)

(ニュース和歌山/2018年1月27日更新)