10月13日号のコラム掌論におしかりのハガキを2通頂いた。コラムは、台風21号で屋根が飛ばされたが、業者がすぐに対応できず、消防に相談し協力を断られた経験から防災を考えた▼ハガキをくれた方は、これを「業者に頼まず、119番通報し、消防に修理を頼んだ」と読まれたようで、「驚き呆れた」と記されていた。実際は、業者に頼んだが、家屋の構造上めどが立たず、消防へも台風用の相談窓口を通じ尋ねた。しかし、複数の方に誤解を与えたのだから書き方が不十分だった▼日本は地震大国なのに被災後進国で、避難所の環境が国際標準を下回っている点が指摘されている。それなのに被災者が不満を漏らすと、「ぜい沢言うな」「権利ばかり主張するな」との声が一般から出る▼台風21号でも行政が受けた相談の内容をぜひ集計、分析し、公表してほしい。被災への対応策はどうあるべきかより、多くの人が何に困ったのかをもとに練り上げられるべき。経験値を上げる機会を逃してはいけない。 (髙垣)