今春、和歌山城のお堀で初めて舟に乗った。午前中のこともあり、予約なしで乗船でき、水面を覆う満開の桜に魅せられた▼驚いたのは御橋廊下をくぐりながら高く見上げた天守閣の光景だ。威風堂々としていて壮観で、見慣れた和歌山城もアングルが違うとここまで美点が変わるのかと舌を巻いた▼さて令和をはさんだがゆえ遠くに感じるが、先月終わった統一地方選挙。波乱となった選挙区もあったが、多くはここ何期かと変わることのない顔ぶれの先生方が安定して議席を確保した▼そのことは何も言うべきことはないが、この4年もこれまでと同じ感じで行政が進むとしたら、どうだろうか。地元経済、コミュニティの疲弊は進み、五輪後の国内経済も不安視されている。議員は市民の感覚を真っ先につかみ、行政に反映させるのが仕事なのになぜ訴えに危機感がにじまないのか。不可解だった▼お堀の舟は毎週土日曜。ぜひとも視点を低く構え、今までと違う角度から地域の未来を照らしてほしい。 (髙垣)

(ニュース和歌山/2019年5月18日更新)