来春廃校になる伏虎中学校跡地の一部を県立医大薬学部用に貸与する条例案が和歌山市議会で承認され、新市民会館と薬学部構想が進むことになった。伏虎中辺りは、医学校や高等小学校など古くから学校が集まった文教地区で、単なる商業施設でなく学校が来るのは大歓迎▼新市民会館にはコンサートホールや展示会場はもちろん、芸術家の育成や市民との交流、また、城を訪れる市民がゆっくり憩える場を期待したい。夏に、今の市民会館前で開かれる夕暮れジャズカフェが、いつもあるイメージだ▼一方、あの狭い敷地に市民会館と薬学部の両方が来ることに、不安が残る。高いビルが建てば、市役所、ロイネットと並んで、城の北側に大きな壁ができてしまう▼あとは建設費。東京オリンピック関連の報道を見る限り、施設見積もりなんてあって無いがごとし。和歌山はそんなことないと信じるが、今後注視してゆく必要はある。「10億、20億円超」なんてなれば、倹約を進めた吉宗公に合わせる顔がない。 (小倉)