食欲の秋ながら、訳あって約1ヵ月、肉を口にしなかった。きついかなと思っていたが、発見が多かった▼戸惑ったのはコンビニ。弁当に、肉類のないものはなく、ざるそば、おにぎりぐらい。外食も無理かと思いきや、調べると、肉のない料理を出す店がちらほらあった。家では大豆加工品のソイミートなどを駆使し、肉のない食事を作ってくれた。そのうち次第にある思いが起きた▼それは普段の食事でいかにほ乳類、魚類、鳥類と動物の命を食べているかということだ。食事をもとに戻しつつある今も「ありがとう」「申し訳ない」と心で手を合わせてしまう。大きな気づきだった。家族も台所の油汚れが減ったとか、胃が楽だとかプラスの側面を語ってくれた▼環境や健康、食と命の大切さを意識するため、「ノー・ミート・デイ」を週1回設ける運動があるらしい。ポール・マッカートニーも「月曜は肉を食べないで」と呼びかけている。確かに食を通じ、私たちの命の根を考えるいい機会になった。 (髙垣)