和歌山駅前通商店街が、勇気・元気の出る言葉をフラッグにしアーケードに掲示している。「今日がいちばんしあわせ、明日はもっとしあわせ」など30点。商店街の加藤正祐理事長が「言葉は言霊(ことだま)と言われ、非常に強い力になる。言葉で道行く人を勇気づけたい」と思いを込めた▼私たちも言葉を扱う仕事だ。思いは分かる。「少し大げさ」との気もしたが、先月、その力を痛感した。例年、タイガースのユニフォームで参加する和歌浦ベイマラソン。沿道から「阪神頑張れ」と声援をもらうと、気分良く、軽快に走れる気がする▼ただ、今年は練習不足で、残り5㌔ほどから急にペースダウン。ふらつきながらあと2㌔まで進んだとき、目が合った男性に「阪神……、アカンかったなぁ」と声をかけられた▼突然、力が抜け、止まりそうになった。何とか走り切ったが、ゴールまで「こんなことって、本当にある」と頭の中で回り続けた。良くも悪くも言葉は強い力を持つ。やはり、大切に扱うべきなのだ。(小倉)

(ニュース和歌山2016年11月19日号掲載)