「ニモがいる!」。すさみ町の「エビとカニの水族館」で子どもたちの人気を集める水槽には、アニメ映画『ファインディング・ニモ』の主人公カクレクマノミ、ほかにはセジロクマノミとセンジュイソギンチャク。この水槽には「すてられた魚たち」とのタイトルが付けられている▼これらはいずれも7月15日、串本町の海岸で発見された。奄美諸島より南に生息し、串本町では一度も見つかったことのない生き物たちだ。水槽内を飾るためのオブジェ類と一緒に見つかったことから、飼っていた人が捨てたと考えられる▼やむにやまれぬ理由で飼えなくなり、かわいそうだからと海に放してあげた…つもりかもしれない。しかし、串本では冬を越せない可能性が高いそう。加えて、生態系を乱す可能性のある行為。外来種が在来種に大きな影響を与えることは改めて言うまでもない▼犬や猫、他の生き物もそう。飼育する際は最期まで責任を持つ。不幸な命を増やさないためにも、その覚悟は持ってもらいたい。 (西山)