ドナルド・トランプのアメリカ大統領就任が近づいてきた。アメリカ大統領就任がここまで日本を戦々恐々とさせたことはない。株価は期待を示すが、さて▼トランプ氏、アメリカの有名な牧師、ビンセント・ピール氏に大きな影響を受けていると聞いた。ピール牧師は著書『積極的考え方の力』が有名で、1952年に発売され、世界で2000万部を販売、現在も読み継がれる。原点は神への信仰だが、前向きに物事をイメージするポジティブ・シンキングのもとになったと言われている▼同書には「私を強めて下さる方のお陰で私にはすべてが可能です」と信仰のないものにとっつきにくい言葉もあれば、「敗北感で力を失っているなら力となるものを書き出して」と一般的なアドバイスととれる言葉もある。気持ちを前向きにさせる力ある一冊だ▼確かにトランプの神がかり的躍進のイメージと重なるが、企業名指しのツイートなど自らの権力に無自覚で不安になる。まずはポジティブに考えたい、が…。(髙垣)

(ニュース和歌山2017年1月14日号掲載)