建築家の中西重裕さんが県内の建物を紹介する「わかやまワクワク探検隊〜明治・大正・昭和たてもの物語」(写真)が和歌山新報社から発行された。
中西さんが1996年から月2回同紙に連載していた「ワクワク探検隊」が130回を超えたことから、まとめて収録。県内を「和歌山市」「紀の川」「海南・海草」「有田川・日高川」「御坊市」「西牟婁・東牟婁」の6エリアに分け、鳥瞰(ちょうかん)図を始め、各建物の特色や所有者の言葉、所在地などを紹介した。基本的に1つの建物を見開き2ページで紹介するため、原稿、写真を厳選、「ほぼ書き直しに近かった」と振り返る。また、いまは取り壊されてしまった思い出の建物や南海本線に残る珍しい駅舎、取材のこぼれ話をまとめたコラムも掲載した。
建物の大半は個人の所有で、昭和初期の建設なら施主の大半は亡くなっている。しかし、建物にかけた意気込みは現在の所有者である子や孫に伝わっており、その人たちの言葉から「施主の魂を感じる」と話す。
さらに、本の帯には「知ってた? こんなにある和歌山の魅力的な建物」と記しており、「和歌山はとんでもなくすごいまちだと知ってもらいたい」と考えている。ただ、「まちは、そこに暮らす人が自分たちの地域をどれだけ分かっているかが現状に現れる。地域を大事にしたまちづくりに転換してほしい」と願っている。
文庫判、278ページ。税込み900円。宮井平安堂ほかで発売中。 |