シベリア抑留体験を手記に
中橋久麿さん 『東京ダモイの夢』
 和歌山市納定の中橋久麿さん(80)が『シベリア抑留手記 東京ダモイの夢』(写真)を出版した。シベリア抑留体験から約50年後の1992年に出した同名の手記を、発行から10年経過し改訂した。
 「ダモイ」は「帰る」のロシア語。中橋さんは敗戦直後の45年9月、ソ連軍に連行された。「捕虜が最初に接したロシア語、それが『ダモイ』であり、捕虜の気を引きつけ飴を舐めさせ、『ダモイ』『ダモイ』とせき立て追立てて行かせた所がシベリアだった」。過酷な労役を強いられる生活から生きて日本に帰ることだけを胸に耐え抜き、ようやく日本に引き揚げてきたのが49年7月。
 4年間の抑留生活を振り返り、「戦争の恐ろしさ悲惨さを少しでも知って貰いたく思い、書き綴りました。(中略)平和は行動しなければ築けない、反戦・反核への勇気ある粘り強い小さな対話運動の輪を拡げていくことから始まります。反戦平和の本を出版することも平和運動です」と記している。
 A5判。問い合わせは中橋さん(073・471・2888)。