ひきこもり支援の実践知って  エルシティオ 当事者参加し本出版
          
「悩んでいる人の光明に」と語る山本耕平さん ひきこもり支援の共同作業所「エルシティオ」(和歌山市手平)の活動や実践を紹介した『助走、ひきこもりから。共同作業所「エルシティオ」のいま』が11月15日、かもがわ出版から発行された。心理学的な研究対象や社会評論として取り上げられる「ひきこもり」を支援する立場から取り上げた本で、立命館大学の高垣忠一郎教授は「ひきこもりに対する援助をいかにつくりあげていくべきかを模索している人々に貴重な示唆を与える」と推薦している。
 昨年7月に全国初のひきこもり支援の共同作業所として開所した「エルシティオ」。1周年を機に、活動を全国に発信しようと出版を企画した。大阪体育大学講師の山本耕平さんと、エルシティオ代表の金城清弘さんが編者となり、ひきこもり当事者や親、支援者が参加。タイトルは通所者が入っての編集会議で決定するなど、一丸となり作りあげた。
 第1章では「私たちにとってのひきこもり」として、当事者、親の座談会を掲載。第2章「和歌山の社会的支援の取り組み」は、共同作業所をモデルとして出発したエルシティオでの毎日を紹介しているほか、和歌山大学の支援サークル・プラットホーム、同大の宮西照夫教授が取り組む「アミーゴの部屋」、活動を他の社会問題へと広げる親の会など和歌山でのひきこもり支援への取り組みを紹介。
 3章では、今夏に国が出した地域精神保健活動のガイドラインを例にとり、実際には行政がひきこもりを十分に位置づけていない点などを論じた。
 山本さんは「一緒に居場所を作った、当事者、支援者、家族の三者の思いがあふれるように本ができた。ひきこもりで悩み苦しむ人の一筋の光明になればうれしい」。同所で教育相談を行う倭田昭さんは「行政関係者にぜひ目を通してもらい、ひきこもりへの認識を深めて欲しい」と話している。
 B5判、215ページ。2000円(税別)。希望者はエルシティオ(073・432・2170)。 

写真=「悩んでいる人の光明に」と語る山本耕平さん)