『ぶんだら』節生みの親 故北原雄一さんの作曲集  心洗われる151作品収録
         
 『紀州おどり(ぶんだら節)』の作曲者で、1986年に亡くなった北原雄一さんの作曲集『世界をひとつに?おとなとこどもの151曲』(上巻/下巻)が今年初めに文芸社から発行され、人気を呼んでいる。童謡、民謡など約1300ある作品から、三女ゆりさんが3年かけて選曲、子どもから大人まで一緒に歌って楽しめる曲を収めた。ゆりさんは「歌は心の底にしみこむものだと思います。子どもも大人も良い音楽に触れ、明るい気持ちになってもらいたい」と話している。

    
「父らしい曲を選びました」とゆりさん 雄一さんは1910年岐阜県生まれ。37年に東京音楽学校(現東京芸術大学)卒業後、音楽教員となる。その後、和歌山県教育次長、四国女子短期大学音楽科教授などを歴任。音楽家として活躍するかたわら、親子が共に楽しめるニュースポーツ“バスケットピンポン”を発案したことでも知られる。
 作曲集は雄一さんが生前、2冊出しており、3作目を準備していたところ、86年に急性白血病で他界した。直後から、ゆりさんには遺志をついで作曲集を出したいとの思いがあったが、一方で父の書斎に入りづらい日々が続いた。そんな中でも、雄一さんの知人から「早く作曲集を出してほしい」との声が聞かれ、2002年の17回忌までに作ろうと決意、3年前に準備を始めた。
 童謡、民謡、オペレッタ、絵描き歌、小中高校の校歌や、幼稚園、保育園の園歌など、多ジャンルにわたる雄一さんの曲は全部で約1300。「今の時代に必要な心洗われる曲、自然を賛美し、人間の美しさを歌った曲を」と、選曲に2年、文字と楽譜の校正に1年を費やし、今年に入って出版にこぎつけた。
 作曲集には上・下合わせて151曲を収録。巻末には雄一さんが作品とともに残した曲の解説を掲載した。タイトルは、雄一さんが亡くなる2カ月前に作った『世界をひとつに』から採った。
 反響は大きく、全国から手紙が寄せられたほか、合唱団から歌声を録音したテープやMDが送られてきた。中には「CD化しましせんか」との誘いもあり、ゆりさんは「出版して良かったです」と笑顔を見せる。
 周囲から親孝行したと言われるが、「父が私に残した無言の宿題をひとつ果たした感じです」とゆりさん。「父は、歌を通して子どもたちに生き方を教えたいとの思いを持っていました。父が残した曲を多くの合唱団などで歌ってもらえれば」と願っている。
 上・下各2381円(税別)。問い合わせは北原さん(073・461・6300)。

写真=「父らしい曲を選びました」とゆりさん)