父親への思いを一冊に
『前略 お父さん』 山本潔さんの応募作も

     
『前略 お父さん』 文芸社が父への思いをつづった作品を全国公募してまとめた『前略 お父さん』(写真)に、和歌山市の山本潔さん(76)のエッセイが収録されている。
 同書発刊委員会が10代から80代まで1060人の応募作品から40点を選考。生き別れとなった父との再会、生き方を応援してくれた父の言葉など思い出深いエピソードがつづられている。
 山本さんは、人生半ばで失明した父親が自分を自転車に乗せ走った時の出来事を書いた。子どもだった山本さんはハンドルに手をかけるだけ。「何もいわなくてもいい。自転車のハンドルにかけたお前の手の感じが、お父さんの心に伝わってくる。お前の心がお父さんの目になる」と言い切り、隣町の仕事場まで自転車を走らせた父親。その後も、近くに目の不自由な人がいると聞けば、自転車で励ましに行ったという。
 山本さんは「自分の心次第で、どんな困難も乗り越えられることを父の行動から教わった」と話している。
 四六判、283ページ。1600円(税別)。問い合わせは山本さん(073・424・7724)。