福祉と宗教的視点 協調を
中井甃さん『続人間を診る』改訂

        
 医学博士の中井甃(おさむ)さんが、『続人間を診る』の改訂版を出版した。初版の『人間を診る』は17、8年前に、続編は15年ほど前に出版しており、今回は続編を大幅に加筆改訂した。
 「東洋医学とは何か」「実際例を取り上げて」「医学の領域を越えるもの」など5章と、実践篇、随想からなる。まず、近代西洋医学が身体と精神を区別して身体のみを対象に診療、治療するのに対し、東洋医学は心身一如の一元論に基をおくことを前提に論を展開。
 西洋医学と東洋医学との相違点を、「前書より分かりやすく」を意識し再編し、また、分子レベル、DNAレベルの医療が進み、将来は混合診療の可否が問題になると言及。さらに、精神障害者の作業所にかかわったことからノーマライゼイション(共生)を実践してきたことを付加した。
 医療の細分化が進む現代、「病気は診ているが病人を診ていないことが多い」とし、「福祉と宗教的な視点を協調させ、真の意味で『人間を診る』ことを若い医師に伝えたい」と考えている。
 A5判、210ページ。2000円。問い合わせは東山さん(073・444・5336)。