近大大学院在籍中に海南市のリサーチラボで起業した工学博士の米村貴裕さんが、このほど『パソコンでつくるペーパークラフト〜お絵描き→3D―CG→展開図』を出版。恐竜や戦闘機、ロボットなどのクラフト展開図を自
分でプリントでき、利用者がパソコン上に描いた平面図をクリックするだけで立体CGにし、展開図に変換できる機能がある。「ペーパークラフトで世界発信したい」と意気込んでいる。
書籍には、恐竜や機関車、城、ロボットなど約70種類のペーパークラフトのデータを収録したCDが付属しており、各展開図を利用者が自分でプリントし、組み立てるシステム。好みに応じて色や形を変えられるだけでなく、自分が平面に描いた絵を立体化し、その展開図までワンタッチでできるソフトを備えており、オリジナルのペーパークラフトを作ることができる。
実は、起業前の1999年に『電子ペーパークラフト紙龍』を出版。約50種類の恐竜や動物、建物などのデータがあり、それぞれパーツに工夫を加えることができたが、発行からわずか3カ月で出版社が倒産、書籍は姿を消してしまった。
『パソコンで〜』は『紙龍』をバージョンアップした内容。デジカメ対応にしたのが特徴で、恐竜に自分の顔を張り付けられるなど遊び心を盛り込んだ。また、パソコン画面を見ながら、立体画像を回転させたり、パーツ
の位置をマウス操作だけで動かせたりといった機能を備え、1部は出版を機に特許出願した。
米村さんは近大生物理工学部生のころから既に20冊を超すパソコン入門書を出版しており、大学院生だった2001年にバーチャルテーマパーク運営やコンピューターソフトの企画・開発などを手がける有限会社イナズマを立ち上げた。今春、リサーチラボを“卒業”し、大阪の天満インキュべーションラボに移転したが、アイデアは大学時代に考えたもので、博士論文にも使用している。また、4月から高野山大学で情報処理の講義を受け持つなど、和歌山とのかかわりは深い。
「紙龍はソフトウェアコンテストで大賞候補と言われながら、ソフトの不備を指摘され、意地になり開発しました」と米村さん。「個々のパーツが分かれたクラフトは珍しく、積み木を積み上げる感覚で作れるのが特徴」と話し、今後はアニメーション機能を充実させるなど、さらなるバージョンアップを図っていく方針だ。
B5判、96ページ、CD―ROM付き。1680円。問い合わせは工学社(03・5269・2041)。
(
写真上
=著書を持つ米村さん、
写真下
=パソコン画面で完成を確認できる)
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