浜口梧陵の功績をマンガで
        
 「スマトラの悲劇をくり返さないために、今こそ浜口梧陵に学ぼう!」と、環境防災総合政策研究機構(河田惠昭理事長)が『津波から人びとを救った稲むらの火―歴史マンガ浜口梧陵伝』を発行している。
 和歌山の広村(現・広川町)が江戸時代の安政南海地震による津波に襲われた際、浜口が稲むらに火を放ち、村人を高台に誘導したとの実話を参考に、1937年から11年間、小学校国語読本に『稲むらの火』のタイトルで物語が掲載されていた。ただし、これはあくまでもフィクションで、歴史的事実と異なる部分が多い。
 今回の『津波から〜』は史実に基づいた浜口の伝記で、子どもたちに分かりやすいようマンガにした。東京で勝麟太郎(海舟)との会談や、佐久間象山への師事、家業のヤマサしょう油の切り盛りなど。
 広村に帰省中、安政南海地震に襲われた時は、津波の第一波を前に村人に避難を呼びかけ、また、第二波に襲われる前、逃げ遅れた人たちのために稲むらに火を放ち、高台に誘導した。さらに、津波で破壊された村の復興のため、私財を投じて家や食糧を供給し、将来の災害に備え堤防を築かせたことなど、浜口の生涯を追っている。
 途中、「地震のワンポイント知識」を伝えるページを挿入。巻末に浜口と、京大防災研究所所長を務める河田理事長、東大地震研究所教授の阿部勝征による架空防災対談「津波から身を守る」を掲載した。
 監修は「歴画浜口梧陵伝」編集委員会。県教育庁も取材協力しており、「防災教育を広めるのに良い」とPRしている。
 クニ・トシロウ作、画。A5判、152ページ、1260円。問い合わせは文渓堂(03・5976・1515)。

写真=史実に基づき浜口梧陵の功績伝える)