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| 50年以上にわたり鉄道を写真に収めている和歌山市土入の和田康之さん(72)が写真集『和歌山の汽車・電車―撮り続けて半世紀』をトンボ出版から発行した。撮りためた1万枚以上から460点を厳選、路線ごとにまとめ、説明文を自ら執筆した。和田さんは「50年間で蒸気機関車、電気機関車、ディーゼル機関車、気動車、電車など多くの車両をカメラで記録することができたのは幸運。好きで撮ってきたものをまとめる機会をもらい、感謝しています」と話している。 |
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「幼いころから汽車や電車が好きだったんです」と話す和田さん。近所を加太電鉄(今の南海加太線)が走り、通っていた貴志小学校の校庭からは南海本線が見える。そんな環境で育った。
撮影を始めたのは19歳だった1952年。父親に買ってもらったカメラだったが、シャッタースピードが最高で百分の一、フィルムの感度も低かったため、「走っている電車を撮るのに苦労しました」。中学校の英語教師になってからも、週末になると撮影に繰り出し、「家にいることはなかったんじゃないでしょうか」と振り返る。
自動車の運転免許を持っておらず、和歌山市近辺ならもっぱら自転車で移動。高野山や御坊へは原付バイクで出掛けた。撮影は今も続けており、最近は11月に廃止された南海和歌山港線の3駅に足を運んだ。
ファインダー越しに鉄道を見続けた和田さんに出版の誘いが届いたのは5年前。鉄道雑誌に投稿していた写真が目に留まり、大阪に本社を置くトンボ出版から声がかかった。まず、1万枚は優に超える中から選ぶ作業に一苦労。さらに厳選した460枚の一枚一枚にそえる説明文を自ら書き上げた。
「難産でした」と振り返る作業をへて完成した写真集は、巻頭カラーで「今走る代表列車」と「思い出列車」を紹介。続いてJR和歌山線や阪和線、南海本線や貴志川線、紀州鉄道のほか、「市電」の名で親しまれた南海電鉄和歌山軌道線や野上電鉄など廃線になったものを含め、11路線を掲載した。
思い出深い写真も多い。52年に阪和線で撮った1枚は、当時、京阪神間で活躍していた車両で、丸みをおびた先頭部が特徴。「ちょうど写真を始めたころのもの。特に印象に残っています」
また、71年の黒潮国体の際に走ったお召し列車は、「湯浅駅から40分ほど歩いた山の上から撮りました。三脚を置いてカメラをセットした直後、電車がやってきました」。鉄道雑誌が少なく、特別列車の情報を集めるのが困難だった当時、「国鉄に勤めている知人から、いつ、どこで、どんな列車が走るか聞いていました」。
写真集を手に、「だいたいの車両は網羅できた。和歌山軌道線や野上電鉄など、今では見たくても見られないものも記録できました。孫に『おじいちゃん、すごい』と言ってもらいました」と笑顔を見せる和田さん。「昔を懐かしみながら、読んでもらえれば」と願っている。
B5判、208ページ、3465円。和歌山市内の各書店で取り扱っている。問い合わせはトンボ出版(06・6768・2461)。
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