柏木圭子さんがニット作品写真集
        
 和歌山市の柏木圭子さんの手編みニット作品写真集『MADAM KEIKO オリジナルハンドニットコレクション』が雄鶏社から出版された。30年以上にわたって編み続けてきた約70点を和歌山の自然を背景に、写真家の西川治さんが撮影。一点一点にニット人生を振り返った文章を添えている。

         
 子どものころ、母親の手ほどきで編み物を覚えた柏木さん。本を見ながらの作品作りから、次第に自分でデザインし、図案を考え、オリジナルを編むようになった。「母が勧めてくれたので」と、1978年に初個展を開催。93年までに計5回の個展で作品を発表してきた。「世界にひとつしかないものを編んで、自分で着られる楽しさ」と編み物の魅力を語る。できあがったニットは作品として取っておくのでなく、日々の生活で身につけたり、演奏家にコンサートで着てもらうことも。
 写真集を思いついたのは、個展に次いで目標にした夢、ファッションショーを2000年に成功させ、一息ついたころ。それまでに「和歌山をもっと良く知りたい」とガイドブックを片手に、6年がかりで12万キロを車で回っていた。「豊かな自然を眺めているうちに、ここに作品を置いたらすてきだろうなと思うようになった」。ファッションショーの次の夢として、その時の思いがよみがえり、自然の中で撮影した作品の写真集を出版したいと、高校の同級生である西川さんに依頼。02年に撮影ロケをスタートした。ところが2回目の撮影を前に、夫が病気で入院。「撮影は無期延期になった」が、無事に回復し、昨年(2005年)再スタートした。
 根来寺や長保寺の落ち着いたたたずまい、足跡のない早朝の白良浜、串本の橋杭岩や大島椿園、日高の黒竹の里、紀の川の河原などで撮影。写真一点一点に「羽衣」「色と線の戯れ」「希望」とタイトルを付け、制作したときのエピソードや思いを綴った。
 「ニットは私の人生そのものです。表現する楽しさ、栄養を注ぎながら育ててゆく喜びを得た。写真集を通して、みなさんに刺激とパワーを与えられたらうれしい」。次の夢はニューヨークとミラノで個展を開くこと。「その目標に向かって楽しく編んでいきたい」と話している。
 A4判、167ページ。3150円。主要書店で取り扱っている。問い合わせは雄鶏社(03・3268・3101)。