|
|
|
| 和歌山市の作詞家、有田出(74、本名・上田達雄=写真=)さんが作詞生活20年の記念と「これまで応援してくれた人への感謝を伝えたい」と、『望郷有田川』『ゆめに咲く花』の2曲を出した。失明をきっかけに詞を書き始めた有田さん。「歌に人生を救われ、それを命の証としてきました。この2曲には生きる信念としての心がけや好きな言葉をこめました。みなさんに歌ってもらえればうれしい」と話している。 |
|
有田さんは旧金屋町の出身。公務員をしていたが、若いころに遭遇したバス事故の後遺症で50歳ごろに視力を失い、自宅での療養を余儀なくされた。
生きる力を失い、精神的に追い込まれる日々。しかし、「この苦しみを何かにぶつけて紛らわし、自分と闘うほかない」と感じ、部屋でよく音楽を聴いていたことから、「音に合わせて無念さを声に出せば少しは気が晴れるのではないか」と詞作りを始めた。
無線に懲り、ラジオやスピーカーの組み立てをこなすほど科学や数学が得意で、詞には全く興味がなかったが、「今の心情を書いてみよう」と言葉と向き合った。そして、最初にできた作品が『ひとりうた』。友人を頼りに作曲者を探し、ようやく完成した歌を聴いたときに「涙がわっとこみ上げ、『これだ』と思った」。
作詞、作曲家の会「日本歌謡研究会」に入り、詞作を続け500編以上を書き下ろした。そのうち30曲あまりに曲が付けられ、テープやCDで発売された。『二川湯の里音頭』『梅のみなべ愛の町』など地元から依頼されて作った歌もある。
作詞家として歩んできた第2の人生を“歌道”という有田さん。今回の新曲は、「来年、歌道人生が20年になる記念と、それに向けて世話になったり応援してくれた人たちへのお礼をこめて書きました」。『望郷―』は金屋町が有田川町に合併されたのをきっかけに、生まれ育ち、失明するまで過ごしたふるさとへの思いを、『ゆめに―』は人との出会いに支えられ作ってきた「歌」への思いを表した。作曲家の中島昭二さんが曲をつけ、ビクターの杉浦裕美さんが歌っている。
「出発点はどのようなことであっても、始めた以上はやり通し、世間に評価してもらってこそ力が付く。愛される作品を目指し、文化、時代へのメッセージとして残していければ」と有田さん。「今後はふるさと和歌山を歌った作品を1枚のCDにまとめること、和歌山で作詞家の交流や育成をする会を作ること、これまでの作品と作詞したときの思いを綴った作品集を出すこと。この3つの夢に向かって歩んでいきたい」と話している。
CDは2曲を収録。1000円。問い合わせは有田さん(073・472・8210)。 |
| |
|
|
|