老いテーマに写真集

溝原さん『遍照金剛』出版


        
 県立自然博物館館長の溝原聰さん(59、写真)が写真集『遍照金剛』を新風舎から出版した。同社が主催する平間至写真賞のハミングバード賞受賞を記念した出版で、溝原さんは「私ももうすぐ定年。写真を通じて高齢化社会における高齢者の生きがいを考えるきっかけになれば」と話している。
 溝原さんはエキスポ70や黒潮国体をきっかけに20代で写真を始めた。県広報課時代には広報写真を多数撮影。また、大橋正雄知事の専属カメラマンを務めていたこともある。
 溝原さんは県展や全国の写真コンテストに応募してきたが、1枚の写真に評価をつける「一枚もの」の写真に疑問を抱き、ひとつのテーマを持って何十枚も写真を撮影するスタイルを選択。紀北地域の風景や生活環境を記録しようと活動を続けてきた。
 今回の写真集は昨年(2005年)、応募した平間至賞のハミングバード賞の受賞記念。老いや死と隣り合わせの日常をテーマに、一人暮らしの老人の生活に視点を置き、海南市の海辺や藤白峠で撮影したモノクロ写真43枚をまとめた。タイトルは空海の言葉からとった。
 溝原さんは「日本は世界一寿命が長いが、社会保障制度などの問題も多い。写真集が老いや生きがいの問題を自分のこととして考えるきっかけにして欲しい」と話している。
 2600円。宮脇書店など主要書店で販売している。問い合わせは新風舎(03・5775・5040)。