雑賀衆で地域興し
辻健さん『沙也可の果せぬ夢』を出版

     

小説

 『沙也可の果せぬ夢』(B6判、77ページ)は、辻健さんが県庁に勤務していた2002年11月に雑賀衆の子孫が住む韓国の大邱(テグ)広域市友鹿里(ウロンリ)を訪れ、日韓友好の証として梅の苗木を植樹したことが執筆のきっかけ。
 雑賀孫市の息子、孫市郎は豊臣秀吉の朝鮮出兵に鉄砲頭として従軍したが、「この戦には大義がない」と反旗を翻し、朝鮮軍に荷担して勝利へと導いた。孫市郎は日本に戻れず、現地で「沙也可」として生きたとされる。
 植樹の際に沙也可のことを知り、「命令に絶対服従の時代、自らの考えで朝鮮軍に味方した」。こんな沙也可の魅力に圧倒された辻さんは、和歌山活性化と日韓友好に生かせないかと考えた。
 昨年は、コミックス『沙也可』(画・河承男、原作・司敬)や、小説『沙也可〜義に生きた降倭の将』(江宮隆之著)が出版され、鳥取では「沙也可」をタイトルに劇が上演された。だが、和歌山で盛り上がりがなく、「もったいない」との思いを強くし、今春から執筆を始め、約半年で書き上げた。
 「沙也可は韓国では国を救ってくれた人と見られ、日本でも信念を持ち正しい行動をした人ととらえられています」。沙也可をいまに伝えることで、「和歌山活性化と、日韓友好を」との思いを強くしている。

写真=沙也可の本を出した辻健さん