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姿を消しつつある日本の原風景を求めて全国をめぐる紀の川市貴志川町の西川寛巳さん(79)がこのほど、2005年3月から昨年(2007年)11月までに訪問した北海道から鹿児島まで全国100カ所の旅の記録を『村へ里へ こんな旅』(写真)として出版した。「心に迫るものが無いと文章にしませんが、百カ所訪れてもどこも同じように迫ってくるものがあります。日本の風景が変わるのは仕方ないですが、記憶、記録として残したい」との思いを込める。1991年出版の『こんなとこ こんな旅』から7冊目(1冊は抜粋版)にあたる。有名観光地は興味が無く、あくまで原風景にこだわり、掲載しただけでも訪問地は700カ所以上ある。 今回収録のうち、例えば、鳥取の板井原集落は車が乗り入れたことのない場所。「日本の集落が壊れたのは、車が入れる道をつけたため。いまも車を入れない板井原には集落の原点がある」ときっぱり。 また、「高齢のため最近は近場が多かった」という通り、今回は近畿圏が半数近くを占める。改めて訪れた和歌山市の秋葉山では山の名の由来を知り、貴志川で2005年春に12年ぶりに開かれた大飯盛物祭を通して、初めて地元を取り上げた。 さらに、三島由紀夫の『岬にての物語』に出てくる千葉の鵜原海岸(小説では『鷺浦』)を訪れた際、岩層を磯から眺めようと段々道を降りたところで、加太の淡嶋神社より分霊された粟島霊神堂に遭遇し、驚いたと記している。 近場でも2泊、遠くだと3泊はし、時間をかけてゆっくりめぐる西川さん。「行く先々で、必ず心を動かされます。次回、本を書く機会があれば、今度は山中に残る素朴な祭をはじめ、伝統に焦点を当てたい」と望んでいる。 B6判、397ページ。1000円。宮井平安堂ほかで発売中。問い合わせは西川さん(0736・64・4109)。 |
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