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和歌山市の放送作家、桃木夏彦さん(63)が7月10日、短編小説集『雁首(がんくび)』を大阪教育図書から出版した。「桃木夏彦の色変わり新書シリーズ」3冊の第1弾。桃木さんは「現実は辛いことが多いが、幻想的な小説宇宙を通じ、人間はいいものだと感じてもらえれば」と話している。創作活動を始め30年を越えた桃木さん。これまで児童文学書やテレビ、ラジオのシナリオを執筆。著書として『探せ!マカ不思議な3枚の月』を出版しているほか、産経新聞で21年にわたって「手業(てわざ)に生きる」を連載している。 小説は、2001年に執筆した『雁首』が関西文学新人賞佳作を受賞。それを契機にここ数年で約40編にわたる短編小説を書きため、中から6編を厳選。『雁首』と合わせ、今回1冊にまとめた。 竹を焼き破裂させる遊びを軸に異母兄妹が互いに抱く淡い感情を描いた『竹花火』。和綴じ本の和紙を2枚にはがすと、全く同じような本が2冊できることに、あの世とこの世の形を託した『ひこうき』など、桃木さん自ら「まぼろし色」と形容する作品群はいずれも陰影に富んだ世界を描きながら、不思議な温かみをたたえる。「あの世とこの世の境界線を行き来するようなグレーな世界を描いた。現実とは違う世界だけれど、最後は人間の生々しさが伝わるように心がけました」と桃木さん。 20年来親交があり、師と仰ぐ作家の藤本義一さんにこれまで小説の指南を求めてきたが、「小説の話になると、『ふー』と言うだけで何も答えてもらえなかった。けれど小説の方程式は自分の中にしかないのが今回よく分った」と自作に手応えを感じている。「2回、3回と読めるように重層的に作っているので、それぞれの回で別のことを感じてもらえれば。ぜひ多くの人に読んで欲しい」と話している。 980円。県内の主要書店で販売している。問い合わせは大阪教育図書(06・6361・5936)。 写真=小説集『雁首』を手にする桃木さん |
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