戦争の真実伝えたい
和歌山市の武野繁泰さん 漫画『苺と骨』出版

            
 和歌山市手平の武野繁泰さん(59)が7月24日、漫画『苺と骨 大東亞戦争秘話』を東京の青林堂から出版した(写真)。作家、宇江敏勝さんの『炭焼日記』を漫画化した『炭焼物語』に継ぐ2作目で、武野さんは「太平洋戦争のことをできるだけリアルに伝えたい」と話している。
 武野さんは20代で上京し、『柔侠伝』で人気を集めていたバロン吉本さんのアシスタントとなり、一時はプロとして漫画を描いていた。その後、一線は退いたが、和歌山市で仕事をしながら漫画を描き続け、3年前に『炭焼物語』を出版。炭焼き小屋で一人過ごす青年の姿を丹念に描き好評を集めた。
 今回の『苺と骨』は、太平洋戦争のころの長崎県佐世保市が舞台。妻の宇根和歌子さんの伯母から聞いた話が題材で、夫の出征を見送った女性の姿を中心に時代に翻弄される人々の姿を描いている。「自分のことを考えず、相手の幸福を第一に考える人の姿を描きたかった」と武野さん。今回は上下巻の上巻で物語は最後まで至らないが、途中、サイパンのバンザイクリフでの悲劇や、特攻隊員の物語を盛り込み、時代全体を描くことに挑戦した。
 武野さんは「特攻隊の青年の写真を見ると、みんな笑っている。作品を描きながら戦争は本当にやりきれないと思った。今の子どもたちに戦争の真実を知ってもらいたい」と話している。
 1470円。宮脇書店などで販売。問い合わせは青林堂(03・5468・7769)。
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