藤井定明さんの写真が絵ハガキに
万葉の心 野の花で

            
 和歌山県文化振興財団・万葉館は、和歌山市の写真家、藤井定明さん(59)が撮影した万葉花の写真を絵ハガキにし、同市和歌浦南の万葉館で発売を始めた。アシビ、モミジ、モモなど四季折々の花16種に万葉歌を添えたハガキで、藤井さんは「身近な花を通じ、素朴で美しい万葉の世界に親しんで欲しい」と話している。
 藤井さんは約10年前、万葉研究家の永廣禎夫さんが著書を出版する際、写真を担当、初めて万葉の世界に触れた。それまでは紀の川をテーマに撮影していたが、その後、奈良や和歌浦など万葉集にゆかり深い土地の風景を写し、永廣さん、書家の矢荻喜孝さんと万葉をテーマにした企画展を3回開催した。
 万葉花もアナログカメラで撮りためていたが、3年前から改めてデジタルカメラで撮影を開始。県内各地をめぐり、これまで万葉集で詠まれた花140種のうち80種をカメラに収めた。
 絵ハガキは、花を通じて万葉の世界に親しんでもらおうと万葉館が企画。藤井さんの作品から季節感がよく出ているモミジ、ハギ、アサガオなど16種を選んだ。「足代(有田市)を過ぎて糸鹿の山の桜花散らずあらなむ還り来るまで」のサクラ、「み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へどただに逢はぬかも」のハマユウなど和歌山で詠まれた花も選んだ。
 いずれも背景の色彩にまで気を配った色鮮やかな作品ばかり。藤井さんは「きれいな状態で咲いている花が少なく、光の加減にも苦労しました」と振り返り、「万葉の花はごく身近にある野の花がほとんど。作りものではない、小さな花に思いを寄せていた1300年前の万葉の時間、空間を共有してもらえれば」と話している。
 絵ハガキは1枚120円、5枚500円。問い合わせは万葉館(073・446・5553)。
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