和歌山舞台の短編 60歳の節目に 『人魚の恋愛』
童話作家 太田甲子太郎さん出版

            
 日本児童文学者協会会員で和歌山市中之島の童話作家、太田甲子太郎さんが初めての短編小説集『人魚の恋愛』を2008年12月にウイング出版部から出した(写真)。60歳の節目を迎え、1冊にまとめた太田さんは「これまで和歌山に住み、和歌山の風土に育てられました。小説の舞台はほとんどが和歌山。紀州人のエッセンスを小説にしました」と話している。
 25歳から童話を書いている太田さん。これまでポプラ社の『心があったかくなる話』に「お墓まいり」が収録されたほか、2006年に江戸時代の和歌山をイメージして仕上げた『ちょんまげ絵くらべホーホケキョ』を出版している。
 童話創作のかたわら、2000年から小説も執筆。還暦を迎えた昨年、書きためた15作品を1冊にした。本のタイトルにもなっている「人魚の恋愛」では27歳のセレブ女性と売れないシナリオライターの恋を描いた。このほか、自伝的小説「和歌山城」、老人の性をテーマにした「独居のふたり」などを収めている。
 「小説は人間を書くもの。童話では書けない人間の機微を盛り込みました」と太田さん。「将来、和歌山に文学館ができ、全国公募の文学賞ができればとの希望を持っています。この本が和歌山の文化活性化につながれば」と願っている。
 250ページ。1575円。和歌山市内主要書店で取り扱っている。
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