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和歌山県内の万葉故地をPRしようと活動する紀伊万葉ネットワークは、海南市出身の作曲家、故・打垣内正さんが1981年に出した歌曲集『万葉の歌』を再発行した。万葉集に収録された歌のうち、和歌山と奈良で詠まれた歌から30首に曲をつけ、その楽譜をまとめたもの。万葉人の心により親しみやすいよう、和歌山に関係する9曲を選び、CDも作成した。同ネットの木村哲也事務局長は「若い人に万葉ゆかりの地を理解してもらうよい教材。次代を担う世代が万葉に親しむきっかけに」と願っている。 |
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| 28年ぶり再発行 CDも製作て | ||||
| 打垣内さんは1907年、海南市生まれ。日方小学校や和歌山県師範学校などで教壇に立ち、49年から和歌山大学で教べんをとった。48年には県音楽教育連盟を結成し初代会長に。音楽教育に携わる一方、県内小中学校の校歌、社歌、市町村歌を数多く手がけた。 79年からはライフワークとして、万葉集に収録された歌に曲をつけ始めた。実際に詠まれた場所をめぐり、景観や風土を肌で感じてから作曲。100首以上に曲を書いた。このうち和歌山と奈良で詠まれた30首を歌曲集『万葉の歌』にまとめ、81年に出版した。 2007年に発足した紀伊万葉ネットワークは、万葉集で詠まれた歌が全国で2番目に多い和歌山の魅力を、特に若者に知ってもらおうと活動している。昨年は紀伊万葉顕彰事業が国土交通省の「『新たな公』によるコミュニティ創生支援モデル事業」に選ばれた。 学習会やウォークイベントなどを開く中、顕彰事業の一つとして、30年近く前に発行された歌曲集を再出版することに。木村事務局長は「万葉を理解するには、歩いて回るのが一番だと、(元大阪大学名誉教授の)犬養孝先生は話しておられました。実際に歩いて作曲した打垣内さんの楽譜は貴重な財産」と説明する。収録した30曲は以前のまま。画家で打垣内さんの弟、雑賀紀光氏の絵もそのまま楽譜にそえて掲載している。 さらに若者に親しんでもらいやすいようにと、和歌山市の声楽家、西浦晴美さんの協力でCDを作成した。収録曲のうち、県内で詠まれた20曲から9曲を選び出し、録音した。 西浦さんは91年、和歌山市民会館で開かれた「打垣内正リサイタル」に出演し、打垣内さん作の万葉歌曲を披露している。「当時、打垣内先生は『作曲は紙の上でするもの。人に演じてもらわないと生きたものにならない。演奏してもらえるのはありがたい』と話しておられました」と西浦さん。今回、録音に当たり、“若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る”の冒頭に波の音を入れたり、有間皇子に関連した3首は悲劇性が伝わるようアレンジするなど、「9曲それぞれの歌を高校生がイメージしやすいよう配慮しました」。 木村事務局長は「和大で学生80人ほどを前にCDを流したところ、みな集中して聞いてくれ、反応は良かった。万葉を含め、伝統文化は若い人がつないでいかなければならない。歌曲集やCDを通じ、中高生らが紀伊万葉になじみを持ってくれれば」と話している。 写真=万葉の歌曲集とCD、古道の冊子 |
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| また、同ネットと熊野・高野国際語り部の会(KIGA)は和歌山から田辺までの熊野古道について英語と日本語で紹介した冊子『熊野・高野へのふるみち 紀伊路』を発行した。 KIGAは07年に『世界遺産 熊野・高野へのふるみち』を製作。世界遺産登録された熊野古道、高野山町石道を英語と日本語、両方で解説したもので、外国人や外国で生活する日本人がみやげに買い求めるなど2000部以上を売り上げた。 第2弾となる今回の冊子は同ネットの協力を得て、国交省の「新たな公〜」事業の一環で製作。雄山峠から高山寺までの紀伊路にスポットを当てた。編集責任者の東道さんは「熊野には日本人のルーツを知る上での手がかりが残っている。この冊子が民族としての歴史を知ってもらう資料になれば」と願っている。 ◇ ◇ 協力金として、歌曲集と『熊野・高野への〜』は1000円、CDは500円が必要。問い合わせは東さん(073・478・2711)。 |
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