紀の川沿いの生活 一冊に
和歌山市の西村隆男さん モノクロ写真集

    
 和歌山市岩橋の西村隆男さん(62)が初の写真集『紀ノ川郷愁』を発行した(写真右)。紀の川周辺で暮らす人々の生活を中心に、34年間にわたって撮影したモノクロ写真約4万枚から厳選した155枚を収録。西村さんは「紀の川周辺に住んでいても見過ごしてしまっている点は多々あると思います。この写真集が地元のみなさんの発見につながれば」と話している。
 1975年、子どもの成長を記録するために一眼レフカメラを手にした西村さん。勤める中学校では写真部の顧問を務め、学校行事の撮影を任された。また、二科会写真部公募展に11回入選するなど、数々のコンテストで入賞経験を持つ。
 変わりゆく郷土の記録を残そうと、紀の川を撮り始めたのは76年。橋本市から和歌山市までを中心に、周辺地域の生活や風景を撮りためた。写真集は「川里の四季」「日々之好日」「回想の学者」「祭りと祈り」「この道一筋」の5部構成。工場近くの畑で大根を収穫する夫婦、投網で鮎を捕らえる名人、山村留学を受け入れるかつらぎ町の小学校…。移り変わる風景をモノクロ写真で切り取った。
 「モノクロだと生活そのものが色で惑わされませんし、リアル感を追求できます」と西村さん。モノクロへのこだわりは、82年に入会した葵フォトグループの主宰者で、日本写真協会会員の故・亀忠男さんの影響だ。亀さんから「情愛がよく出ている」との言葉をもらった作品『余生』は、横になる91歳の女性とほうきで掃除する孫娘を撮ったもの。「地域に根ざした人々の生活を撮るよう教わりました」と懐かしむ。
 B5判、160ページ。3800円。県内主要書店のほか、カメラの西本車庫前本店と築地中央店で販売している。問い合わせは西村さん(073・413・2034)。

写真下=丹生川で撮影の「休日」

ニュース和歌山2010年5月15日号掲載

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