和歌の浦研究書 刊行相次ぐ
幅広い分野から論考

 和歌浦の研究書、報告書が発行された。県教委の『和歌の浦学術調査報告書』、和歌山大学紀州経済史文化史研究所の『和歌の浦 その原像を求めて』(清文堂)の2冊(写真)。幅広い分野の研究者による最新の成果が込められ、和歌浦研究の今がうかがえる。
 『和歌の浦学術調査』は2008年度に県教委が和歌浦の国名勝指定を受けるため専門家を集めて報告書にまとめた内容。古代から現代まで和歌浦の歴史的変遷を追い、自然環境や植物、干潟の生物、神社や文化財、山など和歌浦の構成要素を解説している。現在や昔の写真も数多く掲載、内容は県文化遺産課ホームページでも公開している。同課は「名勝和歌の浦研究の入門に最適」としている。3000円。限定100冊。同課(073・441・3730)。
 一方の『和歌の浦 その原像を求めて』は和歌浦研究に新たな視点から切り込んだ論文集。和歌浦を「紀の川の河口」と位置づけ、従来の研究を再検証する立場で進める和大紀州経済史文化史研究所の研究をまとめた。 紀の川の河口としての和歌浦を考古学的にみて歴史的推移をまとめた和歌山市教委の前田敬彦さんの「和歌浦周辺の遺跡と遺物から見えてくるもの」、かつらぎ町の丹生都比売神社と日前宮、玉津島のかかわりを考察した県立文書館の伊藤信明さんの「天野社・日前宮と玉津島」など八本の論文を収録。執筆者の一人の米田頼司和大教授は「紀の川を軸にすることで聖武天皇行幸以前の和歌浦の姿が見えてきた。今後の研究につながる」と話している。
 1995円。県内主要書店で販売。清文堂(06・6211・6265)。

ニュース和歌山2011年12月24日号掲載

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