怖さ:2 里の妖怪 出没地:和歌山市宇治など

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 夜中に畳を叩くような音が聞こえる現象。和歌山では宇治という町に出たので「宇治のこたま」、冬の夜明け頃にバタバタという音が東から西へ去っていくので「バタバタ」とも呼んだ。今も昔も物好きな男がいたもので、ある男が音の正体を確かめようと、音のなるほうへ行ってみると、不思議な事にその音はひとつの石から聞こえてくる。石をよく見ると、なんと中から小人が現れて、バタバタと石を叩くではないか。男が捕まえようと手を伸ばすと、小人は慌てて石の中へ戻ってしまった。しかたがないので、その石を持って帰ったところ、顔に石と同じ大きさのアザができた。男は怖くなって石をもとの場所に戻すと、またたく間にアザも消えたという。
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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎月第2、4土曜、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山2016年1月23日号掲載)