16040989_shojo

怖さ:1 海の妖怪 出没地域:田辺市など

 酒を好み、人語を介する赤い毛の妖怪。その血もまた鮮やかな赤色で、これで染めた毛織物が猩々緋だという。

 牟婁郡(現・田辺市)では、ある若者が天神崎の立戸の浜で笛を吹いていると、笛の音に聞き惚れた海に棲む猩々の女が、笛のお礼にと自分の髪の毛に針を付けたものを与えたという話が残る。それを使えば、餌なしでも望みの魚が釣れたという。

 現在もその若者が良く釣りをした天神崎の釣り場を「猩々」と呼ぶ。その後、若者は白浜の堅田浦へ移り住み、猩々からもらった釣り道具を土地の八幡さまへ納めたので、堅田にも「猩々が崎」の地名がある。

 また、西富田村(現・白浜町)には城主の命令で猩々を捕らえるために酒樽を置いた小屋があり、海から出た猩々は狙い通り酒に酔って捕まったらしい。

…   …   …   …   …   …

 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎月第2、4土曜、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山2016年4月9日号掲載)