怖さ:1 町の妖怪 出没地域 和歌山市

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 天窓からそっと中を覗くモノがあるが、外に出ると誰もいない。それは妖怪、しょうけらの仕業とされた。
 人間の身体には三尸の虫が棲んでいて、宿主が悪事を働かないか監視しているという。三尸の虫は庚申の夜に宿主の身体を抜け出し、天帝にその悪事を報告するので、庚申の日は寝ないで夜明かしする「庚申待ち」という行事が行われた。しょうけらは庚申待ちの夜、天窓から人々が寝ないよう見張っているともいわれる。
 昔、和歌山の武家屋敷でのこと。屋根の上を何者かが歩き回る音が毎日聞こえる。主は使用人に家の隅々まで音の正体を探させたが、何も見つからなかった。これはしょうけらに違いないと、験を担いで古い瓦を全部葺き替えた。すると不思議な事に翌日から音は聞こえなくなった。
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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎月第2、4土曜、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山2016年4月23日号掲載)