怖さ:2 山の妖怪 出没地域:印南町ほか

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 茶袋は、茶を煎じるためや茶の葉を入れるために用いる袋。和歌山県では「おかいさん(茶粥)」を作るときにも使われ、「ちゃんぶくろ」と呼ぶ。そんな茶袋の妖怪がいる。印南町など印南川流域によく見られ、高い木の枝にぶら下がっていたり、宙吊りで現れるほか、川の上に浮かんだり、空中をさまよったりもする。
 その昔、ある者が川で浮いたり、沈んだりする茶袋を見つけた。「あれが噂に聞く茶袋か…」と怖くなり、見て見ぬふりをして通り過ぎようとすると、今度は首筋に冷たいものを感じる。上を見上げれば、宙に浮いた茶袋が雫を垂らしており、そのまま山の上へと飛び去ったという。

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 妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんによる「妖怪大図鑑」。6月からは毎週土曜号に掲載します。

(ニュース和歌山2016年5月28日号掲載)