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 オラ! コモエスタス? スペイン語で「やぁ、元気?」という意味で、あいさつする時の言葉です。初めまして、青年海外協力隊・野球隊員として昨年10月にペルー共和国ヘ派遣されました森敏郎と申します。

 青年海外協力隊とは、日本政府のODA(政府開発援助)の一環で、国際協力機構が、開発途上国から受けた要請に見合った人材を派遣します。現地の人々と相互理解を図りながら自助努力を促す草の根レベルのボランティアです。

 協力隊を目指した理由は3つあります。「中学校時代の先生が協力隊に参加した」「今の自分を形成したのは、日本の野球のおかげである」「日本では自分の代わりになる人がたくさんいるが、途上国では自分が必要とされ、スポーツを通じて世界とかかわりたい」の3つです。

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 首都のリマに到着後、初めの1ヵ月間は語学訓練を受けました。ホームステイで現地の人と共に暮らし、習慣や文化などを学び、経験する良い機会でした。

 訓練中は隊員としての活動が本格的に始まっておらず、遺跡や博物館、海、レストランやショッピングモールを散策しました。2年間過ごすペルーはどのようなところなのか、日本との違いがあるのかを見ました。「都会! 日本と変わらない! 車が多すぎる!」。これが第一印象です。しかしこの景色は、リマの一部でしかありません。少し山の方に目を向けると、家の造りが違い、山の崖に家が建っているのです。ペルーは貧富の差が激しい国です。「第一印象で物事を決めてしまうのは良くない」と思った瞬間でした。

 みなさんはペルーと聞くと何をイメージしますか? 世界遺産のマチュピチュ、ナスカの地上絵でしょうか。この連載では、現地の活動や、ペルーの社会や生活文化などを紹介します。連載を通じ、和歌山のみなさんに国際協力や、多文化共生に興味を持っていただきたいです。

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 向陽高校出身で元甲子園球児の森敏郎さんが、青年海外協力隊として赴任するペルーから現地レポートを届けます。掲載は偶数月の第3土曜号。次回は4月15日(土)号です。

写真=現地の子どもに野球を指導する筆者(右)

(ニュース和歌山より。2017年2月18日更新)