家の妖怪

出没地域:中辺路町ほか

怖さ:2

 人面牛身の姿で牛から生まれ、人間の言葉で作物の豊凶や流行病、戦争など重大な予言をする。それは必ず当たるが、件は予言してたちどころに死ぬという。

 和歌山にも終戦間近いころ、中辺路の高原で、件の子が生まれ、日本の敗戦を予言して、間もなく死んだとの話が残る。

 また、南方熊楠も論文の中に、聞き取り調査として、新宮の件に触れており、顔は牛のようで、体は人であったそう。この者の言うことに偽りがないので、証文に「よって件の如しと書く」と記している。こちらの件は牛面人身である。
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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山より。2017年6月3日更新)