上富田町の熊野古道にほど近いところにある。末広がりの無数の流れで岩面を覆い尽くす様は、まるで扇のようだ。熊野古道を取材中にこの滝を見つけたとき、なぜ無名なのかと思った。

 滝とは、いったい何をもって「滝」というのだろうか。国土地理院の地図は、高さ5㍍以上、いつも水が流れている有名な滝や好目標となる滝を表示しているという。滝の定義は何か。落差1㍍の滝でも名前がついている滝があれば、落差30㍍でも名前がなく地図にも載っていない滝もある。

 水が沸き立つ様子や液体から気体に変化することを「たぎる」と言う。これが「滝」の語源だというから、滝はまさに水が気化する変容のさま、いかに「たぎる」かが、滝の美しさなのだろう。

(ニュース和歌山/2017年10月7日更新)