「美肌デトックス」「体力回復」「ストレスケア」…。エステかサプリの広告? いや、全てランチだ。和歌山市紀三井寺の自転車店に併設する「グランペール」は、大谷研史オーナー(43、写真左)が「おいしく食べることで健康な体作りを」と、諏訪智也シェフ(45、同右)と共にメニューを考案。味と健康を追いかける。

食べたいものを形に

 国体道路沿いに建つモノトーンの建物。スポーツ自転車専門店を9月に大浦街道から移転する際、大谷さんは以前から描くアスリート向けダイニングへと乗り出した。

 「高校、大学は陸上の短距離選手でしたが、スポーツをやめると太った。日本人は米を食べるので、糖質過多になりやすい。自転車レースを始めた時、食べながら健康的な体を作ろうと考え、それを広めるのがこの店です」

 ただ、「アスリート限定だと入りにくい」との助言で、メニューはイタリアンやフレンチなど豊富に50種類を用意し、間口を広げた。薄味の野菜ばかりで味気ないといった健康食のイメージをぬぐい去り、大谷さんの食べたいものを形にするのが諏訪さんだ。

 「子羊のローストや豚の塩こうじグリル、鶏のロッティと肉も多用しますが、バターや生クリームをできるだけ使わず豆乳ベースのヨーグルトや、パン粉代わりの高野豆腐でカロリーを抑えます。味付けはしっかりし、梅鶏や梅しそと地元食材も使います」

栄養からメニュー選び

 メニューには管理栄養士による詳しい説明が並ぶ。豆腐グラタンの大豆イソフラボンによる抗酸化作用が〝美肌デトックス〟に、バルサミコ酢豚のクエン酸が乳酸を分解し〝体力回復〟につながる。カロリーや、たんぱく質、炭水化物、脂質の量が分かるよう成分別に表示するのは、大谷さんのアイデアだ。

 「自分の体にどんなものが入っていくのか、知ってもらうためです。栄養素を載せたのは、そこから料理を選んでもらうことを考えました。このメニューで食の成分に興味を持ってもらい、おいしく食べながら普段の生活から健康な体につなげてほしい」

 和食でバランスが良いとされる一汁三菜の意識を身に付けた諏訪さんは、洋食でも基本に据える。
 「食を変えると3ヵ月で体調が変わる。そんな意識がはぐくまれるようにと、気持ちを込めています。家庭でもひと工夫すれば、きっと変わる」

 「味」と「健康」。両方を追いながら、実現へとつなげるのが、2人の思いだ。

写真=子羊のロースト

ダイニングカフェ&ワイン グランペール…和歌山市紀三井寺742-18。午前11時〜午後11時(ランチ2時まで。LO10時半)。月曜休み。☎073・447・9175。

(ニュース和歌山/2017年11月22日更新)