新緑がまぶしい春日神社の森近くで、フードコーディネーターの資格を持つ住薫(すみ・かおり)さん(42)が切り盛りする「自然派ルナ・カフェ」(海南市大野中)。3年前に開業し、「妊婦も子ども連れも安心して行ける無添加にこだわった店」をコンセプトにしている。「家庭的な雰囲気を残し、栄養バランスを一番に考え食材を選び抜いています」と笑う。

体に優しく

──健康について考え出したきっかけは。

 「幼いころ、体が弱くてほとんど幼稚園に通うことができなかったんです。そんな自分に母と祖母が体に優しい添加物の少ない食べ物を作ってくれました。子どもができた時、そのことを思い出したんです。調剤薬局で働く中で、病気になる前の健康管理に興味を持ち始め、毎日口にするものを厳選するようになり、フードコーディネーターの資格を取得しました」

──店を開こうと思ったのは。

 「友人に作っていたシフォンケーキが評判を呼び、知り合いの店で出すようになりました。お客さんとのやりとりが増え、『和歌山に子どもを安心して連れて行ける外食先が少ない』との声を多く聞き、開業を決めました。母が生石高原で茶がゆの店、祖母が湯浅で大衆食堂を開いていた影響も大きいですね」

素材を生かす

──どんな料理を出していますか。

 「人気は1~2日でメニューを変えているランチ。主食の米は地元海南産で、精米時に胚芽を残しています。胚芽はリラックス効果がある天然アミノ酸の一種、ギャバが豊富なんです。おかずは8品目ほどで、香ばしく焼き、トマトソースをかけた豚ロース、付け合わせに菜の花のからしあえや新ワカメとえのきの酢漬けなどを並べさっぱりと。野菜の多くは地元の農家さんが届けてくれるので新鮮。卵は広川町の養鶏場から直送した有精卵で栄養満点です」

──いろいろとこだわっていますね。

 「塩はミネラルたっぷりなにがり塩。ローズヒップやカモミールなど季節ごとのハーブティーもつけていて、ビタミンが取れます」

──開業から変わらずシフォンケーキが人気だそうですね。

 「海南市の寺尾牧場からじっくり時間をかけて殺菌し、栄養を残した濃厚な牛乳を仕入れています。ベーキングパウダーなしにふっくらと焼き上げるのは難しいですが、ふわふわとした絶妙な食感、控えめな甘さが好評です」

──季節を意識した商品はありますか。

 「地元産果実、野菜のジャムです。とろみをつける増粘剤は一切使用しません。いま店頭に並ぶキウイジャムにはチャイに使うスパイス、クローブのピリッとした辛みを利かせています。毎日食べても飽きず、健康的。そんな食を追求します」

【自然派ルナ・カフェ】
海南市大野中1056-361
☎073-463-4976
9:00〜16:00
月曜、第2・4日曜休み

(ニュース和歌山/2018年4月11日更新)