まもなく夏本番。カレーが恋しくなる季節だ。和歌山市と岩出市に店を構えるクシュクシュは、日本人の味覚に合わせたカレーが人気のインド料理専門店。週末には積極的に各種イベントで出店し、昨秋のロハスフェスタ淡路島では1位に当たるグルメアワードに輝いた。創業時から厨房に立ち、現在は岩出店店長を務めるラム・サループ・ラジャックさん(45)にこだわりを聞いた。

スパイス25種以上

──出身は。

 「インドのカジュラホという、お寺や遺跡で有名な観光の町です。15歳で結婚し、インド国営の5つ星ホテル内にあるレストランで働き始めました。日本人をはじめ、外国人のお客さんが多く、インド人向けではないインド料理を学びました」

──日本に来たのは。

 「2005年です。最初は大阪、その後、和歌山、神戸の店に勤め、6年前、クシュクシュがオープンする際、オーナーに誘われて、和歌山に戻ってきました」

──店内の装飾、そしてカレー中心のメニューを見ているだけで、インドに来たようです。

 「カレーは、ランチで14種類、ディナーで30種類。インドで食べる味そのものではなく、日本人の口に合うよう、マイルドな味わいにとレシピを考えています。ターメリック、チリ、カルダモンなど薬膳効果があると言われるスパイスはインドから取り寄せ、常に25種類以上用意。また、野菜は可能な限り、和歌山産の新鮮なものを使うようにしています。タマネギは淡路島や泉南産に比べて甘すぎず、私のカレーにぴったり。6時間以上じっくり煮込んで、うまみを引き出しています」

──人気メニューは。

 「昼はチキンカレーと、トマトベースのバターチキンカレー。夜は、タンドール(円筒形の土製かまど)で焼いた鶏肉入りのチキンテッカマサラ、あと、えび系カレーのえびキーマも注文が多いですね」

店名に込めた思い

──メニューにある「ラムさんのおうちカレー」とは?

 「インドの家庭カレー2種、ターメリックライス、パパド(豆のせんべい)、ドリンクなどのセットです。ナンか、全粒粉をこねた生地をフライパンで焼いて作るチャパティのどちらかを選べます。実はインドで普段食べるのは、ナンではなくチャパティ。ナンのように甘みはありませんが、味がシンプルな分、カレーそのものの味を楽しめます。インド人スタッフのまかない用に作っていて、最初は裏メニュー的に出していました。今はチャパティを選ぶ常連さんが増えています」

──お客さんの笑顔が思い浮かびます。

 「いつも考えているのは、おいしい料理と体に良い料理のことだけ。店名の〝クシュ〟はヒンドゥー語で〝楽しい〟とか〝うれしい〟という意味です。これからもお客さんに〝うれしい〟カレーを食べて、楽しい時間を過ごしてもらいたい」

【クシュクシュ鳴神店】
和歌山市鳴神1220-3
☎073-474-8168
昼=11時〜15時
夜=17時〜22時(LO21時30分)
無休

 

【クシュクシュ岩出店】
岩出市溝川279-1
☎0736-79-4225
昼=11時〜15時
夜=17時〜22時(LO21時30分)
不定休

(ニュース和歌山/2018年6月27日更新)