江戸時代の地誌書『紀伊続風土記』に「能城村(のきむら)山本村の西の方六町許にあり。日足村と小口川を隔てて南北に相對(対)す。(中略)腹白瀧、村の辰の方二十町許、小谷の奥にあり。高さ二十五間粗壮観なり」とある。この腹白瀧こそ、現在の鼻白の滝だ。

 地元に、「昔、鼻の白いうなぎが棲んでいた」という伝承がある。しかし、江戸時代に腹白瀧と呼ばれた滝が、いつから鼻白の滝と呼ばれるようになったのかは不明だ。

 腹が白い滝なんて聞いたことないが、滝の形をよく見ると本当に突き出たお腹のような滝だ。古い文献に、腹白の対義語は腹黒とある。腹が白いとは、人が良いことを指す。するとこの滝名は「素晴らしく良い滝」との意味なのだろうか。

(ニュース和歌山/2018年9月29日更新)

大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。