『もりのてぶくろ』 文 八百板洋子 絵 ナターリヤ・チャルーシナ(福音館書店)

 森にはっぱが1枚落ちていました。手袋みたいな黄色のはっぱ。通りすがりの動物たちが、「わあ、きれい」と、はっぱに手をあてました。ねずみの手には大きすぎ、くまの手には小さすぎるようです。通りかかった男の子が、「いいもの見つけた。手袋みたい」と、そっとはっぱに手をあてました。すると…。

 美しい絵です。小さな本なのに、動物たちが目の前にいるような迫力を感じます。秋の森の空気や、落ち葉を踏む音まで伝わってきそう。

 表紙のはっぱは、ハリギリでしょうか。こんな手袋みたいなはっぱ、よく見かけますね。この秋、自分の手にぴったりな「はっぱの手袋」を探しにでかけてみませんか?

(和歌山市民図書館司書 額田美那子)

(ニュース和歌山/2018年10月10日更新)