怖さ:4
里の妖怪
出没地域:和歌山市

 旧鼠とは年を重ねた鼠(ねずみ)の事で、和歌山市中之島にはこんな話が残っている。ある寺に人食い猫が出るとの噂(うわさ)がたった。何でも、白い綿のようなものが夜な夜な新仏の墓をあばいて、死人の肉を食うのを村人が見たという。村人はこの寺で飼われていた白い猫を疑った。しかし、ある夜、本堂の天井で雷のような音がして、猫の何倍もある大きさの旧鼠が飼い猫ともみ合いながら落ちてきた。猫に急所を噛まれた旧鼠は死んだが、戦った猫も傷付いてまもなく息を引き取った。後に村人の寄進で寺の境内に立派な猫の墓を建てたのだそうだ。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2018年11月10日更新)