『紀伊続風土記』に「上筒香東富貴和州坂本村三村の界にて高峰なり(中略)里老傅えて天照大神顕れ給ふ地なりといふ又御神岩の上にフクリトリといふ瀧あり高さ十間許(中略)神功皇后の御時丹生都比売神始めて鎮まりましゝ地なり」とある。

 昔話によると、この滝より東にある藤代の峰という高峰に丹生都比売が降臨された時、山々に遊ばれ、最初に顔を洗ったのが遊女の滝だ。ノビラコ集落に続くこの沢は、豊富な水を湛えて水神信仰が広まり、水は丹生川に注ぎ、やがて母なる川、紀の川へと注ぐ。別名、藤代の滝、優女の滝。

 滝上には不動明王の祠が祀られ、今年も10月28日に「野平子祭り」が行われた。4㍍ほどの小さな滝だが、大岩の間に落ちる姿は神々しい。

(経路…県道733号から丹生川を渡り、林道を車と徒歩で)

(ニュース和歌山/2018年11月17日更新)

大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。