今の和歌山城の南側駐車場入口、料金所を入ったところにあった不明門です。よく見ると門の瓦には傷んだ箇所が多く、痛々しい感じさえします。このまま放置されたためでしょうか、門は大正四(一九一五)年に倒壊しました。

 門は閉ざされたまま人の出入りがなかったため、秘密を漂わせるような話が残っています。その一つは門の付近の抜け穴から岡山の下を潜って寺町の護念寺と三光寺の間を南方に脱出する抜け道があったというものです。

 (古書肆紀国堂=和歌山市ト半町38、和歌山県建築士会館1階=店主の溝端佳則さんのコレクションを紹介します)

(ニュース和歌山/2018年11月24日更新)