懸命のリハビリで、脳出血による言語障害から復活。歌手活動を再開し、ライブにCD発表と充実感に満たされていたさつきだが、2016年6月、定期検診で再びつらい宣告が…。

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 脳出血になった後、2ヵ月に1度の検診は欠かしませんでした。3年目となった片男波での野外ライブ「ジャズハート」からわずか1ヵ月後の検診のことは記憶に深く刻まれています。

 その日は金曜でした。いつもは朝10時に行って、昼の1時ごろには家に帰っているのに、この日終わったのは夕方6時でした。「白血球がちょっと少ない」と言われ、翌週の火曜に再び詳しく診てもらうことになりました。医師はさらに言葉を続けました。「私が当直の日曜も、白血球の数が下がっていないか調べましょう。もしもあす高熱が出たら、すぐに来てください」

 嫌な予感がしました。「私の身に何か起こるはずがない。脳出血を起こしたのだから、それ以上のことは起こるはずもない…」。心に言い聞かせました。

 火曜日が来ました。「今すぐ骨髄の検査をしましょう」。注射器をさす痛みに必死で耐えました。夕方5時、結果が出ました。医師は私に告げました。「急性骨髄性白血病です」

 昔、山口百恵さんのドラマで〝赤いシリーズ〟がありました。その中に、主人公の百恵さんが白血病で死んでしまう話がありました。私が小学3、4年生のころです。ドラマのタイトルは「赤い…」とはっきり思い出せませんでしたが、主題歌は覚えていました。「あとどのくらい愛されますか/あとどのくらい生きられますか」。その詞が頭の中を何度も何度も流れました。

写真=2016年、3度目のジャズハートは、1ヵ月後の私の心を神様が見透かしたかのように、あいにくの雨でした

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 ディスイズジャズ新春ライブ…2月15日(金)午後8時、和歌山市太田のテイクファイブ。さつき、ベーシスト畠山令らが出演。2800円、当日3300円。

(ニュース和歌山/2019年1月23日更新)